化学・物質工学コース創立10周年記念誌

 平成23年4月に,長崎大学工学部にあった7学科が1学科に統合されことに伴い,材料工学科と応用化学科が手を組み,化学全般から材料分野までを1つの教育カリキュラムとして幅広く学べる化学・物質工学コースとして誕生してから10年が経ちました。この間,日本経済はバブル経済の崩壊,それに次ぐリーマンショックの影響を今なお受け続けており,さらにはCOVID-19による未曾有の景気低迷を余儀なくされたことにより,世界各国に大きく溝を開けられている状況です。しかしながら,この日本経済の低迷とは裏腹に,化学・物質工学コースの卒業生,修了生,および各位が,それぞれの場所で活躍され,社会に大きく貢献されていることを伝聞しております。我々の誇りであるとともに,大きな喜びとなっております。

 この10年の間でコースの構成も大きく変わりました。羽坂雅之先生,内山休男先生,吉永耕二先生,香川明男先生,岩尾正倫先生,鄭国斌先生がご退職され,小椎尾謙先生,郷田秀一郎先生,堀内新之介先生がそれぞれ九州大学,創価大学,東京大学へ転出されました。一方で,新しい教員も増えております。詳細は1.3教員の異動および1.7研究室紹介をご覧ください。

 長崎大学工学部の学科がコースに移った経緯の一つに受験倍率の低迷がありました。コース発足時は志願者も多くなり,受験倍率も上昇傾向になり安心しておりましたが,昨今の全国的な理科離れ,化学離れは深刻な問題であり,志願者(入学者)が年々減少傾向にあります。その余波は大学院にも影響しており,コース発足と同時に大学院も生産科学研究科から工学研究科が独立し,新たな教育システムが充実したにもかかわらず,進学者数が減少傾向にあります。この現状を打破するため,令和6年度からは,社会の多様化やグローバル化に対応するために,情報系,工学系,水産・環境系の大学院を統合した新たな総合大学院が設置される予定です。 これにより,学生のニーズにも応えられ,これまで以上に社会に役立つ人材を育成できるものと考えています。

 本記念誌は,コースが誕生した平成23年から令和3年までの歩みを化学・物質工学コースを卒業・修了された同窓生皆様に感謝の意を込めてご報告するとともに,次の10年へ向けて確固たる礎とすべく作成いたしました。また,化学・物質工学コースの前身である材料工学科と応用化学科の最後の同窓会記念誌である創立40周年記念誌は,それぞれ平成23年3月と平成24年10月に発刊されており,本記念誌はそれらからの継続的な内容となっています。これらの記念誌は,化学・物質工学コースのホームページ内にある同窓会のホームページから入手可能です。

 最後になりますが,コース構成員一同,これまで以上に教育・研究に精進して行く所存です。今後とも,皆様からの変わらぬご支援を化学・物質工学コースに賜りますよう,何卒よろしくお願いいたします。

化学・物質工学コース創立10周年記念事業
実行委員長 村上裕人


10周年記念誌

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