高校生向け講座
当コースでは高校生向けに「出前講義」と「化学・物質関連分野の実験実習」を提供しています。
詳細についてはそれぞれの項目をご覧ください。
出前講義
下記の出前講義を実施しています。詳しい手続きは工学部 出前講義・入試説明会を御覧ください。
教員 (分野) |
講義テーマ |
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森村隆夫 (固体物理学) |
原子レベルでの物質の観察 |
大貝 猛 (金属材料学) |
金属物理学序論 ~合金の力学・熱力学・電磁気学の基礎~ |
兵頭健生 (機能材料化学) |
”におい”を化学でセンシング~半導体センサでガスを測る!~ |
中谷久之 (高分子材料学) |
プラスチックとグリーンケミストリー |
山田博俊 (固体電気化学) |
15年後のエネルギー貯蔵 ~電池のこれまでとこれから~ |
馬越啓介 (無機化学) |
貴金属元素が関わる化学 ―制ガン剤から有機ELまで― | 有川康弘 (無機化学) |
金属イオンの働き |
作田絵里 (無機化学) |
光るものをつくる-発光の仕組み-/人工光合成について |
相樂隆正 (機能物質化学) |
(1) 分子でロボットを作る (2) 電子は波として自分自身と干渉する |
村上裕人 (高分子化学) |
液晶とは何か? 高分子とは何か? 大学で何をするのか? |
木村正成 (有機化学) |
身の回りの生活と有機化学 |
小野寺玄 (有機化学) |
身近な有機化合物を通した有機合成化学研究の紹介 |
海野英昭 (生化学) |
タンパク質の話〜創薬からカーボンニュートラル社会の実現まで〜 |
高校生・大学受験生のための化学・物質関連分野の実験実習
高校生・大学受験生のみなさん、大学生と同じように白衣を着たり
保護メガネをかけて、大学の実験室で実験してみませんか?
化学・物質工学コースでは、高校の教科書に載っている実験や大学入試問題によく出題される実験を大学の先生に教わりながら実体験できます。さらに、実験の原理や応用例などの解説をきくこともできます。 今年から新たに始まった「実験を楽しく学べる企画」です。先着順ですので、奮ってご応募ください!
理科の実験は、自分の手で器具に触れ、データを得て、よく考えることで理解が深まります。実験は、1人ではなくグループで行うことが多いので、仲間と協力しあって課題に取り組むことで、コミュニケーション力や論理的に伝える力が身につきます。このような経験をしていれば、大学入試に難しい実験の問題が出題されても内容をイメージしながら理解し上手く解答できるようになりますし、大学を卒業して社会で活躍するためにも役立ちます
最近3年間はコロナ禍で満足に実験できる状況ではなく、教科書に載っているような実験も動画を視聴するだけという状況が続いていたようです。他人が実験している様子を眺めるだけでは、何の力もつきません。このような状況を踏まえ、化学・物質工学コースの先生たちは、みなさんに「実験を体験し、実験を好きになって欲しい」という思いで、以下のような実習講座を企画しました。ご要望があれば、高校の実験室に大学の器具と試薬を持ち込んで行う「出張実験」にも対応できますので、ぜひご相談下さい。
申し込み・お問い合わせ
- 申し込み方法
- 同じ高校の高校生グループで、高校の先生を通じて申し込みのご連絡を下さい。最少催行人数は5名としますが、5人に満たない申し込みでも、複数グループからの合計とするなどで実施できるよう極力調整します。
- 申し込み先
- 「長崎大学工学部工学科化学・物質工学コース事務室」宛てe-mailを送信ください。問い合わせ先も同じです。
アドレス:cms_officeml.nagasaki-u.ac.jp
(アットマークは打ち直してください) - 実施時期
- 4月~11月の平日または土曜日
7月下旬~8月末の夏休みの時期には、十分な時間を確保するようにします。 - 1つの実験は各年度1回を予定しておりますが、希望があれば複数回実施も検討します。但し、担当教員の都合、施設の使用状況等のため、複数回が困難な年度もあります
- 実験の安全性について
- (1)安全な実験のため、着衣や靴など指定することがあります。眼を保護するためのゴーグルは、アルコールで消毒したものを本コースで用意します。
- (2) 実験を行う際、予め参加者名簿を作成の上、保険へ加入します。なお、参加者が保険料を支払う必要はありません
実験
実験の題目 | 内容 |
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化学基礎 | |
塩化鉛(Ⅱ)の電気伝導性 |
溶融塩からイオン液体、固体電解質へ展開。結晶構造とイオン伝導の講義も可。
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水溶液の調整、pHの測定、中和滴定、酸の電離定数の決定、緩衝溶液 |
水溶液の調整、pHの測定、中和滴定*、酸の電離定数の決定*、緩衝溶液* pHメータ等を用いた実験を行います。
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イオン化傾向 |
銀樹、銅樹なども可 「電池と電気分解」を組み合わせ、起電力に関する発展的実験も可能
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化学 | |
電池と電気分解 |
「鉛蓄電池」とセットにする
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鉛蓄電池 |
「電池と電気分解」とセットにする
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金属の結晶構造(面心立方格子と六方最密構造) |
電子顕微鏡によって元素を確認することも可
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コロイドの性質 |
疎水コロイド、親水コロイドの性質の違いを実験で確認する(凝析、塩析)。
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鉄イオンの反応 |
水酸化ナトリウム水溶液やアンモニア水と金属陽イオンとの反応も可能
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有機化学A ヘキサンと1-ヘキセンの違い |
有機化学A,B,Cは一緒に実施可能
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有機化学B アルコールの性質 |
有機化学A,B,Cは一緒に実施可能
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有機化学C ヨードホルム反応の確認 |
有機化学A,B,Cは一緒に実施可能
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ナイロン66の合成 |
アジピン酸ジクロリドとヘキサメチレンジアミンを用います。
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ポリスチレンの溶解 |
リモネンを用います。
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合成高分子化合物 |
始めに高分子の講義を行う。
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グルコースの還元性 |
「糖類」との組み合わせで実施
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糖類 |
「グルコースの還元性」との組み合わせで実施
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塩化物イオンの滴定 |
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塩素の性質と反応 |
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陽イオンの反応と分離 |
硫化水素の製法(弱酸の遊離)と組み合わせる
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エステルの合成 |
「サリチル酸メチルの合成」と一緒に実施可能
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サリチル酸メチルの合成 |
「エステルの合成」と一緒に実施可能
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酵素①:鍵(基質)と鍵穴(酵素)の関係を実感しよう! |
野菜に含まれるメラニン合成酵素(チロシナーゼ)を抽出し、基質(チロシン)と反応させて、生成物(メラニン前駆体)を検出します。 教科書には掲載されていない実験ですが、酵素の性質を実感できるようにわかりやすく楽しく学べる内容にしています。
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酵素②:酵素反応の最適温度を探ろう! |
マメに含まれる尿素分解酵素(ウレアーゼ)を抽出し、尿素を分解する様子を様々な温度で検出します。この反応がピロリ菌検査などで活用されていることや酵素発見の歴史についても解説します。 教科書には掲載されていない実験ですが、酵素の性質を実感できるようにわかりやすく楽しく学べる内容にしています。
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物理 | |
ばね振り子の周期の測定 |
教科書レベル:物理基礎の「運動の法則」および「仕事と力学的エネルギー」に関して、重力、弾性力、フックの法則、力学的エネルギー保存則を解説する。 発展的展開:鉄鋼材料の変形機構(弾性変形と塑性変形)について解説し、鉄鋼材料の硬度測定や引張試験等の物性評価実験へと展開する。
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電流が作る磁場 |
教科書レベル:物理の「電流と磁場」および「電磁誘導と電磁波」に関して、磁場、磁化、磁束密度、ファラデーの電磁誘導の法則を解説する。 発展的展開:鉄鋼材料の磁化曲線について解説し、振動試料型磁力計を用いた鉄鋼材料の透磁率や磁束密度等の物性評価実験へと展開する。
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入試によく出る実験 | |
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニロンの合成 |
ポリ酢酸ビニルを合成する。これをケン化してポリビニルアルコールを得、滴定によりケン化度を求める。さらに市販のポリビニルアルコールとホルムアルデヒドを反応させてビニロンをえる。
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芳香族化合物の分離 |
入試問題で頻出の芳香族化合物の分離を行う。多くの芳香族化合物は有機溶媒によく溶けて水には溶けないが、酸性や塩基性の芳香族化合物に塩基や酸の水溶液を加えて塩にすることで水溶性にし、分液ロートを用いて分離することができる。
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