Research

研究内容

生化学と構造生物学を基盤として、多様な生物由来タンパク質の構造と機能を解明します。

RESEARCH 01

海洋生物由来レクチンの探索・構造機能解析

レクチンは特定の糖鎖構造を認識して結合するタンパク質です。自然免疫のシステムにおいて、外来微生物やウイルスの侵入の際にそれらを認識し結合するのが、レクチンの主要な役割の一つです。(ちなみに、獲得免疫のシステムにおいてレクチンと同様の機能を有するものが、「抗体」と呼ばれるタンパク質です。)海洋無脊椎動物から新規レクチンを探索し、糖特異性、立体構造、自然免疫における役割を明らかにします。さらに、病原体・ウイルスやがん細胞の検出、研究用試薬、創薬などへの応用を目指します。

  • 糖鎖認識
  • 自然免疫
  • X線結晶構造解析
真牡蠣
真牡蠣 Crassostrea gigas
マンノース特異性レクチン CGL1
イシワケイソギンチャク
イシワケイソギンチャク Gyractis japonica
ガラクトース特異性レクチン AJLec
オオアサリ
オオアサリ Saxidomus purpurata
GalNAc/GlcNAc特異性レクチン SPL-1・SPL-2

RESEARCH 02

レクチン機能の応用:抗ウイルス活性など

  • 抗ウイルス活性
  • タンパク質工学

イソギンチャク由来AJLecの抗ウイルス作用

日本近海のイシワケイソギンチャクから見いだしたガラクトース特異性レクチンAJLecは、アルゼンチン出血熱の原因となるフニンウイルスの増殖を抑制します。ウイルス感染機構の解明と、新規抗ウイルス薬・診断技術への応用を目指しています。

Antiviral Research掲載論文 / 長崎大学プレスリリース / 長崎新聞掲載記事

AJLecを加えていない対照群の感染細胞
Control
AJLec添加群の感染細胞
AJLec添加
AJLec添加によりフニンウイルス感染細胞(緑)が減少

RESEARCH 03

酵素の構造解析による反応機構の解明

魚類や古細菌の代謝を担う酵素を対象として、基質・補酵素の認識と触媒反応の仕組みを原子レベルで解析します。古細菌に関しては、好熱性古細菌から発見された新奇メバロン酸経路の各種酵素タンパク質について、その構造解析研究を進めています。

酵素反応の理解に加え、イソプレノイドやバイオ燃料の生産に役立つ酵素設計へ展開することを目指します。

prFMN合成酵素の構造・変異解析(FEBS Journal, 2026)

オニオコゼ由来ホスホリパーゼA2の発見とその構造・機能解析(Toxicon, 2021)

新奇メバロン酸経路に関わる酵素AMPDによるtAHMPの脱炭酸反応
新奇メバロン酸経路に関わる酵素AMPDが行う、tAHMPの脱炭酸反応

METHODS

タンパク質の発現・精製・構造解析

遺伝子クローニング、組換えタンパク質発現、各種クロマトグラフィーによる精製、生化学的機能解析を行います。構造解析にはX線結晶構造解析とクライオ電子顕微鏡解析を用い、構造と機能の関係を検証します。

タンパク質発現用の培養プレート
発現コンストラクトの作製
タンパク質発現培養
組換えタンパク質の発現
精製タンパク質の電気泳動像
タンパク質の精製と電気泳動による確認
タンパク質結晶
タンパク質結晶化
解析されたタンパク質立体構造
X線結晶構造解析
クライオ電子顕微鏡で観察した粒子像
クライオ電子顕微鏡解析

COLLABORATION

共同研究体制

学内外の研究グループと連携し、海洋生物試料、感染症研究、酵素化学、構造解析を組み合わせた研究を進めています。

長崎大学 水産学部

海洋生物の機能遺伝子同定

長崎大学 高度感染症研究センター

抗ウイルス活性測定と感染機構解析

長崎大学 熱帯医学研究所

赤痢アメーバ由来レクチンに関する研究など

東北医科薬科大学 薬学部

レクチンを利用したがん細胞に対する創薬研究

名古屋大学 農学部

微生物由来酵素タンパク質の構造解析

ポルトガル Porto大学

タンパク質のMDシミュレーション

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