日本化学会 国際化学オリンピック日本代表生徒第3回強化訓練合宿について
この度、公益財団法人日本化学会 オリンピック小委員会は長崎大学工学部と共催で、第50回国際化学オリンピック スロバキア・チェコ大会の日本代表生徒4名の特別強化訓練(第3回)を5月26日(土)、27日(日)に長崎大学にて行うこととなりました。折角の機会ですので、見学等御希望される場合には、事前にメールにてご連絡ください。
(長崎市文教町1-14)
- メーヤワイン・ポンドルフ・ヴァーレイ還元 (有機反応化学)
- 酸性、塩基性および中性有機化合物の分離 (一般分析化学)
- 金属鉱物・炭酸塩岩の組成決定 (無機分析化学)
国際化学オリンピックの概要
国際化学オリンピックは約半世紀の歴史を持つ高校生の化学力コンクールで参加する生徒は化学分野の筆記試験と実験課題に挑みます。参加者の上位10%に金メダル、次の20%に銀メダル、その次の30%に銅メダルが贈られます。
国際化学オリンピックの特色
国際化学オリンピックは東欧の3カ国の化学学力コンクールでしたが、近年は約80カ国が参加する国際大会に発展し、毎年夏休みの前半に10日間の日程で開催されます。わが国では2003年から「夢・化学-21」委員会と日本化学会が生徒派遣を始めて、2004年以降参加生徒全員が金、銀、銅いずれかのメダルを受けています。
国際化学オリンピックは、次世代の世界を担う各国の若い生徒が化学力コンクールでしのぎを削りながら、しっかりとお互いの理解する高度な国際交流の場でもあります。したがって、国際化学オリンピックに出場する生徒が、慣れない環境下でしっかりと他国の生徒とお互いを理解しあうためには、十分な化学力を備えて、余裕を持ってコンクールに臨む必要があります。
国際化学オリンピックへの生徒派遣への教育・訓練の特徴
国際化学オリンピックは高校生(卒業直後の卒業生も含む)のコンクールですが、その試験問題や実験課題は我が国の高校生の日頃の学習内容よりもかなり高度で、大学生の内容と言ってよいものです。
日本化学会の化学オリンピック小委員会および、化学オリンピックOBOG会が、昨年9月の日本代表候補生徒認定から、いろいろな教育と選抜を重ねて代表生徒・派遣生徒の決定・特別訓練に至っております。
この過程は本当に多くの化学関係者の皆様のご協力に支えられたもので、この派遣事業の遂行はまさに我が国の化学界あげての支援の賜物です。特に代表生徒の訓練では、胆力、柔軟で的確な思考力、臨機応変性など逞しい化学力の養成が不可欠で、それを生徒が獲得するには、生徒にとってアウェイかつグローバルな力を有する大学や研究機関等の場で、短時間に集中した訓練は重要です。それを踏まえ、国際化学オリンピック代表生徒の教育訓練は、毎年3~4箇所の日本を代表する教育研究機関のお世話になっております。